黒いお菓子「オレオ」をヒットさせたヤマザキナビスコの功績と闇
それは1筒のチップスターから始まった疑惑
そもそも九州しょうゆってどんな味。という方は、比較的まじめな醤油いやソースを用意したのでご覧ください。
「あれ?」
行きつけのドラッグストアで購入したのは、チップスター九州しょうゆ味(2016/04/11発売)。
ブラックコーヒーのお茶うけにそれを1枚口に運んだ瞬間、違和感をおぼえました。パッケージをよくよく見るとたしかに九州しょうゆ味と書いてあります。
1枚、もう1枚、ムスメ氏が2枚、もう1枚、ムスメ氏が3枚、あと1枚足りない。
食べきったときにはその違和感が疑惑に変わっていました。
「ヤマザキナビスコには何か闇がある」
自分が今まで食べたスナック菓子(北九州しょうゆ味)はどれも見事なまでにその味と香りを再現していました。ポテトチップスしかり、堅あげポテトしかり。
チップスター九州しょうゆ味はスナック菓子としては全く問題ない仕上がりです。万人受けするであろう飽きのこない味付けと癖のない香り。事実、私はムスメ氏と共に1筒食べきりました。
ですが、そのうすしお以上コンソメ程度の中途半端なフレーバー。「九州しょうゆ」としての再現度は限りなく0に等しいのです。
ポテトチップスや堅あげポテトの例を見る限り、九州しょうゆ味を再現するのはそれほど困難だとは思えません。そこで自分はチップスターの開発・販売を手がけているヤマザキナビスコにあらぬ疑いをかけました。
研究開発チームがまじめに働いていない説
同社の研究開発チームについて調べるうちに、臼田拓史氏という好青年の存在が浮上しました。入社3年目にして新製品「エアリアル」に関わった臼田氏は、テレビ番組にも出演しています。
比較的若手の社員に「とりあえずやらせてみる」というヤマザキナビスコの企業体制は評価したいところ。その期待に応えるべく「チップスターイカ墨味」を開発した臼田氏の功績も大いにたたえるべきです。
あの赤城乳業だって冒険的な試みを繰り返しながら、ここまで成長してきたではありませんか。ナポリタン。
どうしよう。
ヤマザキナビスコもその研究開発チームもいたってまじめに仕事をしている。
これでは自分がでっちあげたい「ヤマザキナビスコの闇」が成り立たない。
そこでたどりついたのがこれです。
ヤマザキナビスコが九州人の味覚を理解していない説
これに関しては非常に有力な材料をゲットしてきました。
製菓メーカーは消費者の購買意欲をそそるため、パッケージや価格・味や触感などいろんな視点から商品開発を行っています。だって商売だもの。
その大部分を占めるだろう要素が「味」。
それを決定するのは開発者の「味覚」です。
奇をてらうにしても万人受けを狙うにしてもそれは変わりません。ナポリタン。
自分がはじめて東日本でうどんを食べた時、スープが薄めた醤油でしかないことに驚愕しひたすら七味をかけました。カルチャーショック。
人間の味覚とはこんなものです。生まれ育った地方や環境によって、それぞれの味覚は異なるのです。
だからこそ食品を開発するときは、チームに異なる味覚を持ったさまざまな地方出身者を投入するべき。そうは思いませんか?
それではこれをご覧ください。
カルビーの場合
かの名品、ポテトチップス九州しょうゆ味や堅あげポテト九州しょうゆ味を世に送り出したカルビー。北海道からカリフォルニアまで、さまざまな地方の出身者で構成されていることがわかりますね。特に岡山大学以降は西日本出身者が多いと推測されます。
ヤマザキナビスコの場合
比較的、東日本からの採用者が多いように感じてください。少なくともこのデータからは、九州出身者を採用している確実な情報は読みとれませんよね。
つまりチップスター九州しょうゆ味の開発に九州出身者が関わっている可能性は、カルビーのそれよりもはるかに低いといえるでしょう。
九州人の味覚を知らない人間が九州しょうゆ味のスナック菓子を開発している(あくまで推測)。これは本場の寿司を食べたことのない米国籍の方がsushiを握るのとそう大差ありません。
もし今後ヤマザキナビスコが九州しょうゆ味のお菓子を開発するのであれば、ぜひ開発チームに九州出身者をくわえてほしい。
九州の東大、九州大学からの採用を増やしていただきたい。
なんだったら九州しょうゆ味開発枠を用意してエントリーは「九州男子及び女子」に限っても良い。
ヤマザキナビスコの今後
ヤマザキナビスコは2016年9月からヤマザキビスケットに社名を変更します。みんな大好きオレオやリッツは引き続きモンデリーズ・ジャパンから発売されますのでご安心を。
(参考)