今さら「戦場のピアニスト」を観てみた
かの名作、「戦場のピアニスト」。
第二次世界大戦におけるワルシャワを舞台としたフランス・ドイツ・ポーランド・イギリスの合作映画。2002年公開。「wikipedia戦場のピアニスト」より
ピアノの前に座っているのが主人公のウワディスワフ・シュピルマン氏。
このドヤッとしたお顔。
もっと古いイメージのあった映画ですが、そんなでもないんですね。
2002年、ちなみにこの年日本では、
「ハリーポッターと賢者の石」が興行収入第1位を記録しています。
それはさておき、
今さら見てみた「戦場のピアニスト」のざっくりしたあらすじと感想なんかを…
①ドイツ軍からの迫害を受け、追い詰められていくユダヤ人
「ユダヤ人である」という理由で、1家族当たりの所持金を制限されたり、住む場所を制限されたり。
追い詰められていく彼ら。
(シュピルマンは生活のため、ピアノを二束三文で売っちゃいます)
②連れ去られた家族の行く先は…
「ドイツのために働いている証明書」がないと、収容所送りになるという噂。
偶然再会した知人のおかげで、何とか手に入れるものの…
結局意味なし。
問答無用で強制収容されるシュピルマン及びその家族。
シュピルマンだけは、知り合いの警察署長(これはポーランド人かな)のおかげで
難を逃れた。
③知人の協力で脱走に成功するも、孤立無援に
なんだかんだでドイツ軍のために労働させられているシュピルマン。
古い知人を頼り、反ナチス活動組織のもとに身を寄せる。(脱出成功)
が、支援者が捕まったり裏切ったりで結局またひとりぼっちに。
④感動のフィナーレがかすむほどにドイツ軍将校がマジイケメン!
廃墟でひっそりと隠れ住むシュピルマンを発見したドイツ軍将校。
シュピルマンのピアノの腕前に感動した彼は、
パンを差し入れたりなんだかんだ世話を焼く。
ついにきたドイツ軍撤退の日、
彼はシュピルマンに自分のコートを餞別代わりに渡す。
(…ただし、このコートはドイツ軍仕様。このせいでシュピルマンは殺されかけちゃうんですけど)
ようやく訪れた平和な時代。
ラスト、立派なコンサートホールでピアノを演奏するシュピルマン。
…ざっくりとしたあらすじは以上です。
劇中、ユダヤ人の迫害の描写が残酷だったりします。
苦手な人はご注意を。
以降~個人的な感想
「シュピルマンがなんか自己中に見える」
うーん、なんて言うんでしょうか。
家族でただ一人、収容所送りを逃れた彼。
知人の手を借りてまで(もちろんユダヤ人に協力した人も極刑)
強制労働施設から脱走しようとした動機が弱いんですよね。
映画の主人公なら主人公らしく、
「家族を探しに行く!」
とか、
「仲間とともに再び立ち上がる!」
とか期待したいところなんですが。
まあ、元はピアニストですもんね。
こんな極限状態の中ですから
「とにかく逃げたい生き抜きたい」
というだけでも十分な動機になりえるのでしょう。
そして個人的に助演男優賞(でも出演時間は30分足らず)を差し上げたいのが、
後半で登場するドイツ軍将校(ヴィルム)!
彼がね、とにかく渋くてかっこいいんです。
立ち居振る舞いがドイツ軍将校らしくとにかくサディスティック!
おそらく、今までユダヤ人に情けなんてかけたことないに違いありません。(偏見)
そんな彼が
「ピアノがうまい」
というだけでシュピルマンを見逃すんです。
ただし一つだけ残念なことが。
敗戦後、捕虜となったヴィルムは通りかかったユダヤ人にこう言うんです。
「俺はシュピルマンを助けた。だから今度は俺を助けてくれ、と伝えてくれ」
なんかね、ちょっとがっかりです。
もちろんヴィルムがシュピルマンを助けた時は「見返り」のことなんて
期待してなかったとは思うんですけど…。
ここでシュピルマンがヴィルムを救い出したらそれはそれで美談ですが、
結局彼は捕虜のまま亡くなっています。
ラスト、ピアニストとして確固たる地位を築き上げたっぽい
シュピルマンの演奏をちょっともやっとした気分で眺めていました。
もちろん、名作です。